「102」 今こけしの木肌


こけし製作では機械ロクロが一般的である。そして、ロクロ回転は鉋の切れ味にかかわりなく、高速に回転させ、削ることができる。また、紙やすりは、ダイヤモンド粉塗布などで(鉋様な)強固な削りや、バンカキもいらないようなきめ細かい肌に仕上げることができるようになった。木肌には蝋掛けをして仕上げておられる工人さんが多いようです。

今さんは、機械ロクロの回転を抑えて、鉋の切れ味で、粗挽き、仕上げをされます。最終的には、バンカキで木肌を仕上げられます。そして、木賊かけをして終えます。ときには、「H002」下左写真のように、敢えて、粗挽き肌に仕上げることもあります。今さんは、基本的には紙やすりを使用されなく、蝋掛けはしません。その今さんも、鳴子時代は、蝋掛けが基本だったそうで、「蝋をいっぱい買って、弘前に帰ったが、使わなくて、もったいなかった」と話をされていました。

描彩では、(面相筆は使わず)普通筆にたっぷりと染料を含ませ、木肌に染料の滲みをもそのこけしの味わいとされています。(「C012」の眉の滲み、「G012」のロクロ線の滲み)その辺の感覚が他の工人さんや愛好者との違いでもあります。特に、二人挽きロクロでこけしを製作されるようになってから、より、鉋の切れ味や鉋で挽いた後の木肌を楽しんでおられるようです。(「Q036」下右写真)

今こけしはその木肌の味わいが自然であり、ぜひ、こけしを素手で握りしめてください。木肌と人肌の感触がフィットし、その温もりが伝わってきます。この触れ合いと想いがこけしを慈しむ,愛おしむことなのかと思っています。

囲炉裏のほの温かい火照りに微睡み、今こけしを手にして遊んでいます。

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