令和2年の2回目の「坂入ボックス」のこけしが届きました。今回は、油絵の具で胴模様を描かれています。
後列2本は、右からナナカマド、ツル植物模様(19㎝)です。前列右から、?模様(9㎝)、ヒヤシンス、クロッカス、スイセン、ガーベラです。前列左は、村井福太郎型瓢箪模様と本人型桜模様です。
今さんの描かれる胴模様は、家の近所を散歩しながら、草花や木々を愛でておられるようです。特にその名称に拘ることなく、そこにあるものをただ胴模様として添えておられるようです。この胴模様は、初めて油絵の具で描かれたそうです。その理由は分かりませんが、今さんは「色は油絵具です。面白いのではと思いますが、如何でしょう」とありました。今度、伺っておきます。
木地挽きは荒く、鉋跡が残っています。二人挽きロクロ製作に、鉋の切れ味と木肌への感触、そして、津軽系の胴模様に返しロクロ模様の試みです。この機械ロクロ作においても、その感触を生かされ、何か、鉋の切れを、土湯の返しロクロ模様のように刻み込んでおられているようです。バンカキを掛けることもなく、木賊で磨くこともなく、鉋の切れ味が木肌に残っています。手で握りしめると木肌の温もりが直に伝わってきます。そして、今さんの独特な朴訥としたこけしの表情とともに、心に沁みてきます。この辺が今晃さんのこけしだけが持つ、独特な魅力なのかもしれません。
コロナ渦中で、身動きのできない状況です。横浜の孫たちの生活に何かあれば、覚悟を持って支援に行きます。
今さんのこけしが届き、ホッとした。握りしめていたら、涙が止まらなかった。
今さんからのお返事です。何か、お別れの挨拶になってしまいました。