2006年10月、初めて津軽を訪ね、「第19回若手工人フェステバル」に参加しました。まだ、あの豪快な佐藤佳樹さんや気持ちの優しい小島俊幸さんがご健在な時でした。こけしのことを全く知らない、ともかく、愉快な、賑やかな津軽こけし館長の福士収蔵さんなどなど、懐かしい場面が思い浮かびます。福士さんは工人さんが展示販売をしている隣の部屋で、オークション開催をされ、「このこけしは誰の?」「このこけしはいくら!ハイ、2000円で落札!」と景気はイイのですが、工人さんは3000円で売っておられるのですヨ??!そんなエピソードもありました。現在は、「お山の学校」(資料館)を主催されて、手打ち蕎麦学校も開催されています。
そして、似顔絵用の顔写真入手の為に、津軽の工人さん、故人になられた工人さんのお身内の方々をお訪ねして廻りました。今さんとは、この時初めてお会いしました。お伺いをし、こけしの話、裸での子育て?私の障碍者との関わりや焼きものの話などなど、互いの生き様に、何となく、波長があったようです。
「小さな展示会」は、或る障碍者施設で焼きもののボランティアをしています。重度の知的障害に、肢体不自由などなどの重複障害がある方々です。不自由な手足で握りしめた粘土の塊、押さえつけた粘土の塊を(私が中を刳り抜いて)、オブジェや一輪挿しなどに仕立てて焼き上げました。どこか、小さなお店の片隅に「「小さな展示会」として、作品を販売しています。そこに、今さんのこけしを添えました。(みなさんの食卓や玄関口、トイレの片隅などに一輪、如何でしょうか!)
現在、今さんは下半身の麻痺や痺れ、そして、それに付随した症状、両手指のリュウマチ症状があり、かなりの状態、状況です。私は40年間、障碍者の支援や介護の仕事をしてきたものですから、いろいろとお話もしました。
表紙の岩木山風景画は大学時代の友達、画家の照沼光治の作品です。「木おぼこ・今晃」を贈り、今さんのこけしをイメージして描いてもらいました。画題は「凛雪」です