「111」 盛秀型こけしと盛秀風こけし

この8寸、2本のこけしは、平成7年9月9日作の盛秀型こけし(「G402 」)と、盛秀風こけし(「H386」)です。桑原金作さんの「今晃のこけし」では、以下のように紹介されています。

「G402」は盛秀初期作の写しである。眉や眼の表情のとらえ方、顔の描彩はまったく上手く、盛秀と対比するも、「勝るとも劣らない。」一品である。「H386」 は、盛秀型こけしが「今晃の世界で昇華したこけし」である。角張頭に頬、撫肩挽きは胴を絞り、立体像は実に美しい。黒髪は泥臭く、一瞬の筆の走りのままに、垂れ長の眉は太く、2側目も厚く垂れる。眼点は上瞼に打ち、想像越えた表情で現われる。鼻も荒く、2筆口に紅も滲む。筆走りに表われたダルマを描く。今晃が「津軽こけしの源流を求めた」、その留まることのない探求心を十二分に味わっていただきたい。

下写真左が盛秀古型こけし群で、右が盛秀風こけし群です。図譜「木おぼこ・今晃」の製作発行時に、「今晃は、盛秀型を継承していないで、(盛秀型こけし)作った。」「今晃作の盛秀古型こけしを掲載する。しない!」で、伝統こけし愛好家や伝統こけしの世界から批判された。今さんは「盛秀型こけしを作ったのは事実である」「盛秀さんには恥をかかせていない!」とのことでした。今晃作の盛秀型こけしは事実存在しているわけであり、私の判断で図譜に盛秀型こけしを掲載し、みなさんに公開することにしました。しかし、図譜制作に共感され方々でも、この盛秀型こけしを製作依頼された方々からの拒絶には、驚かされました。この図譜制作や頒布などを通して、伝統こけしを愛好される、伝統こけし世界の醜さをも垣間見た思いでした。

伝統こけし世界では、このような「伝統こけし継承、伝承」について、見解が分かれるようです。また、今さんの本人型こけしへの評価も「今晃の本人型こけしは、伝統こけしではない!」と否定される方もおられます。みなさんにおかれましては、どのように思われるでしょうか!!

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