「46」 平成28年、初めての「坂入ボックス」

「46」 平成28年、初めての「坂入ボックス」

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 124日から27日まで、JRの大人の切符を利用して、大雪に追いかけられながら、高崎発津軽経由の大館、秋田を回り、友の会新年例会(神田)、そして、横浜の孫を巡ってきました。

平成28年初の「坂入ボックス」は、平成27年の挽き納めと28年の挽き初めの二人挽きで、寒椿と千両のようです。干支のお猿さんは、小猿を抱いた母猿、小猿を背負った親子でした。今さん曰く「猿の顔をよく見たことがないので、分からないなぁ~?」との事。お雛様は顔料を使用されて、色鮮やか。表情は何か、お惚けの二人ですネ。左写真の鉈こけしを削っていて親指を刺してしまい、仕事がしばらくできなかったそうです。描彩をした胴の表面は、大木の中にある虫食いの空洞表面で、虫食い跡がグニョグニョと走っています。その跡と木肌色合いを生かした描彩遊びになっています。

今さんの体調は良いようで、二人挽きロクロでの実演を見せていただきました。綱引き方との息合い、そして、鉋の切れ味が重要のようで、「シュー、シュー」と、心地いいリズムが刻まれます。「坂入さん!ホレ!」と手渡された木地を握ると、その木肌には独特な味わいがあります。今さんは特に、鉋挽きで仕上げた木肌を大切にされています。

*今さんは鳴子で修行をしていましたので、仕上げの紙ヤスリや蝋がけは常識作業でした。嶽移住には、紙ヤスリや蝋を大量に持っておられたが、感覚には合わなかったのか使用されなかったようです。現在では木賊も使いません。時にはバンカキもかけないようです。鉋の切れや木地挽き技術に、十二分な自信がなければ、このような境地にはならないでしょう。

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晴くんは、お山の大将!!
 木地玩具「はしごダルマ」のダルマを晴くんにしました。コロン、コロンと、おサルさんと遊んでいます回転するコマには、晴くんの写真をデコパージュしました。

「歩季くんのおもちゃたち」 http://sanejiro.sakura.ne.jp/Toy.html には、デコパージュを利用した各種おもちゃ、パズルなどを作りました。もし、希望がありましたら、設計図や作り方をお教えします。 

*デコパージュとは、ベニヤ板などにボンドを塗り、写真や絵などの紙を水張りする。そして、カシュー(透明でツヤ消し)で塗装する。

「45」 「木おぼこの会」会員、決まる。

「45」 「木おぼこの会」会員、決まる!

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私が主催する今晃さんのこけし頒布会「木おぼこの会」会員が決まりました。正月から会員を募り、締切日1月24日までにご応募された方々は47人でした。北は北海道から南は鹿児島までと、たくさんの方々のご応募、ありがとうございました。抽選の結果、以下の9人の方々が会員となられました。北海道のSさん、青森県のSさん、秋田県のNさん、福島県のYさん、長野県のIさん、千葉県のWさん、東京都のKさん、鹿児島県のHさん、そして、私の9人です。会員はこの方々に固定し、増員することはありません。この小回りの効く人員で、今さんには自由に作っていただき、頒布をしていきます。これから、長いお付き合いになりますが、みなさんと一緒に遊んでいきたいです。

第1回頒布こけしのみに当選された方は、横浜市のTさんでした。頒布会員は9人ですが、今さんには10組の頒布こけし等を作っていただき、その都度、1組をこのHPから希望者を募って頒布していきます。ぜひ、ご応募ください。

よく「今さんのこけしは、どうすれば手に入りますか?」と聞かれます。店頭販売は、「木ぼこ」「つどい」さんなどで行っていましたが、お店が開いていることは少ないようです。現在は、「こけし時代」を発行されている鎌倉の「コケーシカ」で購入できます。また、HP「今晃の世界」を発信されている斉藤純廣さん主催の「今晃ファン倶楽部」に入会されると、年に数回の頒布があります。今さんのこけし人気を反映してか、今年の友の会新年例会には、「抽選こけし」として、今さんのこけしやダルマ、エジコが多数出品されていました。私も、今さん訪問後でしたので、今年の干支の「親子猿」をジャンケン大会に提供しました。

今さんとの付き合いは、2006年「こけし蒐集・津軽の旅と似顔絵」http://sanejiro.sakura.ne.jp/tsugaru.html  に始まり、現在では今さんを年3回ほど訪ね、また「坂入ボックス」で、送っていただいています。清俊夫さんとは数年前に、初めて飛行機に乗って山口県まで会いに行きました。桑原金作さんや清さんとの付き合いは、HPに書いてあるようなことです。そして、桑原さんからすべての今こけしを譲っていただき、私の現在があります。

私は、今晃さんのこけしに惚れ込んで、今晃さんのこけし図譜「木おぼこ・今晃」まで製作発行してしまいました。みなさんにも、「今晃さんのこけしに直接触れ合っていただきたい」と思い、私の前で、「今こけし!」と言われた方には、着払いで今こけし本人型を1本プレゼントしています。友の会には数百本ほど、各地の会にもプレゼントしてきました。私のところに訪ねて来られた方々には、格安で頒布をしていました。みなさんと囲炉裏で魚や肉を焼き、季節の山菜おこわや栗おこわを味わいながら、気に入った今こけしを選ばれ、箱買いされていました。頒布を希望されれる方々のために、昨年、初めてヤフオクへの出品をしましたが、今こけしの見方へのギャップ、こけし価格などなどに悩んでいました。

図譜発行以来、この2年間、各地のこけし行事のすべてに参加して、みなさんに図譜発行案内パンフを配布してきました。そして、このHPも立ち上げて、発信をしています。しかしながら、難しい問題もありました。結論として、自らの思いを割り切り、批判を覚悟で、これらから資金を得、「木おぼこ・今晃」ー坂入ボックスー、「今晃のこけし」-今晃こけし・坂入コレクション解説ー、「こけし・工人似顔絵図譜」-全国版ー製作発行をすることにしました。ぜひ、ご期待ください。

将来的には、「木おぼこ・今晃」-今晃こけし図譜ー、ー坂入ボックスーに掲載されたこけしは、どこかの公共機関に寄贈して、後世に伝え、残していきます。それ以外の「今晃こけし・坂入コレクション」の全ての今こけしは、ヤフオクにおいて出品をしていきます。このような機会は、まず、ないと思いますので、気に入った今こけしがありましたら、ご参加ください。

 

*「木おぼこの会の会員でない方が、会頒布の今こけしを所有していることは、どういうことか!」との質問が、何通かありましたので、お答えします。

・「木おぼこの会」第1回頒布のこけしや木地玩具が会員以外の方々にも、入手されている方がおられます。それらは、今さんが販売をされていることなので、「木おぼこの会」とは、関係ありません。

・伝統こけし界には、「工人さんが、製作依頼で写しや復元こけしを作った場合や、各販売店やこけし会が依頼した、頒布したこけしを販売する場合は、勝手に作って販売をしない!その方々の許可を得る」との暗黙ごとがあるようです。しかし、私は、「木おぼこの会」で頒布されたこけしなどを、今さんが会員以外の方々に販売されることについては、なんら、条件や拘束する気持ちはありません。今さんには自由に自分のこけしを作られ、自由にみなさんに販売されることを希います。

・みなさんおかれまして、「木おぼこの会」の頒布こけし等が気に入られましたら、ご自由に今さんにご注文をして、作ってもらってください。

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上記写真は、今さんが作られたある年の「干支ヘビとウサギ」です。今さんはこのように、注文を受けたこけし販売店や頒布会には、ぞれぞれ若干の姿態を変えて作られます。(同じものは作られないようです。このような今さんの配慮は嬉しいものです。)しかし逆に言いますと、各販売店や頒布会がそれぞれの独占的販売など、その占有権を主張されているわけです。この伝統こけし界の独特なシステムが写しや復元、本人型など新たなこけし製作、販売において、工人さんにはかなりの足枷となります。この点は改善していくべきことです!!

「44」 「今晃こけし・坂入コレクション」のこけし

「44」 「今晃こけし・坂入コレクション」のこけし。

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最近、「ひやね」さんの「こけし往来」とヤフオクで、今こけしを数本入手しました。写真左の右側のこけしは「木おぼこ・今晃」掲載の「A001(7.3寸)」です。大湯時代(昭和479月)の今さんの第一作、初作こけしです。左のこけしは、「A001」と同一手で、「こけし往来」で入手しました。姉妹は40数年ぶりの再会で、私にとっても嬉しいことでした。妹は色白で、若干こじんまりしています。姉の方は少し、苦労されたらしく、骨董市にて東京こけし友の会元会長の小川一雄さんが見つけられ、こけし手帖512号に「今晃の長谷川清一型こけし」として紹介されました。そして、今さんの図譜を製作発行することを知られた小川さんが、私に贈られたこけしです。図譜製作に当たって、どうしても必要な、貴重なこけしでした。

右の写真の左5本は、図譜に掲載された「C054(2寸)」で、禰宜町時代作です。右5本は、ヤフオクで入手したこけし(弘前市のAさん蔵)で、「C054」と同一手です。「C054」も、私が図譜を製作発行することを知られた同好の方から贈られたこけしです。かなり褪色していましたが、このこけしも今晃こけし遍歴の中で、小寸ながらその時代を代表し得るこけしですので図譜に掲載しました。しかし、今回入手したセロハンに包まった右5本のこけしは、色彩は鮮明で、今できあがったばかりの新鮮さです。やはり、「今晃こけし・坂入コレクション」として、加えることになります。

このように、いろいろな機会で、図譜に掲載した同一手のこけしでも、表情の若干違うこけしや、その時代時代の新たな今こけしなどにも巡り合ったり、触れ合ったりします。それらの今こけしも、その都度入手し、HPの「木おぼこ・今晃」―坂入ボックスーで紹介をしています。ぜひ、ご覧ください。

「43」 今晃作「本人型」こけしの全てを公開!!

「43」 「本人型」こけしの全てを公開!!

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「今晃のこけし」 http://sanejiro.sakura.ne.jp/kon-kokeshi_kuwabara.htmlでは、「今晃こけし・坂入良喜コレクション」の3000本のこけし解説を桑原金作さんに書いていただきました。

現在、桑原さんの今晃こけし紀行「今晃のこけし」や「嶽今晃・本人型」「木地玩具」などなどの全てをこのHPで公開しています。

今回、署名「晃・本人型」も公開しましたので、今晃さん作の「本人型」こけしの全貌を見ることができます。これからも、「今晃のこけし」の目次に沿って「各時代のこけし」、「嶽今晃」「晃」「えじこ」「だるま」なども随時、編集して、このHPで公開していきます。ご覧いただけましたら、嬉しいです。

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ヤフオクにおいて、毎月第24日曜日が締め切りになるように、「今晃こけし・坂入良喜コレクション」の中から出品をしていきます。今晃さんのこけしはその時代、その時、その瞬間にしか生まれ出でないところがあります。

 特に、本人型こけしは、この機会、この時でしか出会い得ない、少ないチャンスでもあります。

「42」「木おぼこの会」会員募集!

42」 今晃さんのこけし頒布会「木おぼこの会」会員募集!!

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あけまして、おめでとうございます。

    本年も、よろしく、

お願いをいたします。

坂入主催の今晃さんのこけし頒布会「木おぼこの会」会員を、以下のような要綱で募集します。

「今晃さんのこけし頒布会」

・名称を「木おぼこの会」(代表=坂入良喜)とする。

・会員数は、9人で固定化する。

・今さんに、自由に作っていただいたこけしや木地玩具を頒布する。

・年に3回前後(1月、5月、9月)の頒布とし、1回の頒布料金は1万円強ぐらいとする。

・頒布方法は、今さんから一括して、坂入が受け取り、各会員に頒布する。

・こけし代金は、今さん価格に、プラス送料(着払い)等を負担していただきます。

ご入会を希望される方は、このHPの「お問い合わせ」から、『・「木おぼこの会」に入会します。・氏名、・住所、・電話番号、・郵便番号』を明記して、ご応募ください。ご応募締切日は平成28年1月24日(日)です。応募者が多数の場合は、抽選をして決めさせていただきます。こけしセットが届いた方が会員となられた方になります。

尚、会員は9人ですが、今さんには、こけし製作は10組を作っていただきます。残り一組は、その都度、このHPを通じて頒布希望者を公募し、当選された方に頒布をしますので、ご応募ください。

こけし写真は、第一回頒布こけしセット(二人挽きロクロこけし6寸、3寸、1.5寸、木地玩具=自動車)です。今回、頒布会員にご応募された方の中から、抽選して1名の方に頒布をいたします。

「42」 坂入ボックスと晴くんのこけし遊び。

  「42」 坂入ボックスと晴くんのこけし遊び。
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 115日から9日、JRの格安切符を利用して、大館の今さん、秋田の桑原さん、山形の「みちのくこけし祭り」そして、横浜の孫=晴くんに会いに行ってきました。上左写真はそのときの「坂入ボックス」です。今さんとは、私が始める今さんのこけし頒布「木おぼこの会」の打ち合わせでした。「年に3回ぐらい」「小回りの効く、会員10人ぐらい」「今さんの好きなように作ってもらう」などなど具体的に決まりました。

12月、第一回頒布こけしも送ってこられました。来年1月に、その頒布会員をこのHPから募集しますので、ご応募ください。

今年3月に、初孫、晴冶くんが誕生しました。今さんには、初孫誕生記念こけし、端午の節句の木地玩具などその都度作っていただきました。来年3月の1歳誕生祝の木地玩具が、今から楽しみです。晴くんは、誕生、5月の連休、夏休みには2週間ほど、おんぶにお風呂などなど、オジンに馴染んでいました。

しかし、11月下旬の曾お祖母ちゃんの葬式後に寄ったときは、人見知りがはじまり、母の姿を追いかけまくり、遠くから眺めていました。夏は一緒に「キャッキャ!キャッキャ!」と風呂で遊んでいたのが、今は、大声で泣き叫びます。裏山の「よしき公園」には、久しぶりに狸も姿を見せ待っているのだが?まあぁ~、歯も上下2本生え、二人挽きこけしは歯触り?がイイのか、舐めたり、齧ったりして遊んでいました。

妻や娘は、こけしにまったく興味がないので、晴くんには、期待を!

さあ、晴くんが遊びに来ます。年末年始の2週間の戦いが始まるか?!!

孫は、来て嬉しい!!帰って、嬉しい!!

    

       みなさんにおかれましては、よいお年をお迎えください。

[41]  第2弾!!今こけしヤフオク出品!!

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[41]  第2弾!!今こけしヤフオク出品!!
             12月から毎月第2、4週目日曜日が締め切り!
  平成26年4月、今晃さんのこけし図譜「木おぼこ・今晃」を発行し、1年半が過ぎました。今こけしに魅せられ、今晃さんに惚れこんで、ここまで来てしまったわけですが、ドド~ンと届いた500冊(100冊分は出版社の取り分)の図譜を見て、「さぁ~て、コレ、どうしよう!」というのが実感でした。今さんに数十冊を贈呈、お世話になった方々への贈呈、そして、西田記念館などの各こけし館や国会図書館を始め、今さん関係の大館鳳鳴高校、大館市や弘前市、秋田県や青森県図書館などに100冊ほど寄贈した。図譜に掲載したこけし群は、どこかの公共機関に寄贈して、後世に伝えたいものです。
  しかし、伝統こけし世界では、「こけし蒐集40~50年!!」といわれる一家言の方々も多くおられ、私のようなこけし蒐集暦7~8年選手には、このような計画は無謀でもあったようです。実際、私の思いや意気込みとは違った現実が多くありました。各地のこけし会(17会)にも、図譜発行のご案内をお送りしましたが、お返事をいただけたのは3会のみで、反応は極めて厳しい状況でした。確かに、今晃さんのこけしには、私のような今晃さんのこけしに魅了された熱烈なファンや関心のお持ちの方も多くおられました。しかしながら、その反面、「今晃のこけし、特に本人型こけしは伝統こけしではない!」「今晃は、わざと左手で描彩して、稚拙に見せている!」「伝統こけしたる伝統伝承性を破り、盛秀型こけしを作っている!」などなどの批判が多くありました。  販売手段を持たない私は、この1年半、各地のこけし行事の全てに参加し、図譜発行案内パンフを手渡しして紹介をしてきました。いろいろな方々とも知り合い、それはそれで楽しいことでした。今、こけしの第三次ブームといわれています。伝統こけし界はそれぞれこけしへの理解や啓蒙など進展され得べくものと思いっていましたが、同好の士といったこけし愛好者、伝統こけし界の常態化、現実をも垣間見、すっかり疲れてしまったというのも、正直な実感でした。
  現在、図譜販売は、協力していただいているカメイ美術館や「ひやね」さん、土湯のアサヒ写真館と鳴子の「たまごや」さん、市川市のジェットリンクと四日市市のCAROLさんで販売をしています。このHPからも購入できますので、「お問い合わせ」からお申し込みをしていただけましたら、嬉しいです。尚、現在、HPから購入していただきますと、消費税はなしで、図譜価格は1万円です。図譜発行1周年記念として、今こけし6寸をプレゼントしています。
  4月の「木おぼこ・今晃」発行1周年記念で、今晃さんのこけしのヤフオク出品に続き、第2回目のヤフオク出品をすることにしました。今こけしは全体で1万本ほどありました。「今晃こけし・坂入コレクション」に3000本ほど収蔵し、その全てを写真撮影しました。その中から精選した600本ほどを「木おぼこ・今晃」に掲載しました。そして、今こけし、特に本人型をみなさんに触れ合っていただきたく、私の前で「今こけし?!」と言われた方々や、こけし会には数百本単位で(無料で)差し上げてきました。遠方から来訪された方々には、ミカン箱単位で譲っていました。興味のある方は2、3回と訪ねてこられました。ともかく、「市場よりも格安で、膨大な今こけし郡の中から選ぶことができる」ことが、大いなる魅力のようです。今こけしの頒布を希望される方々が多くおられ、前回、ヤフオクに初めて出品をしました。入札参加者は90人も越え、今こけしに魅せられている方々が多くいられることも知りました。しかしながら、落札価格が私の今こけしへの思いや評価とあまりにも違っていたり、ヤフオク出品への批判なども聞こえてきて、戸惑い、悩んでしまいました。
  これからも、「『木おぼこ・今晃』-坂入ボックスー、『今晃のこけし』―今晃こけし・坂入コレクション解説ー、『こけし・工人似顔絵図譜』を製作発行したい!!形あるものとして残したい!!」と思って、編集製作をしています。これらも売れる見込みのない現状ですので、HP「木おぼこ・今晃」を立ち上げ(業者に委託)、みなさんに見ていただけるように発信をしている訳です。しかし、ある方から、「坂入さんには膨大なる今こけし群があるではないか!」とのご指摘があり、図譜掲載した(公共機関に寄贈する)今こけし以外は、全て、ヤフオクなどで頒布し、それらの製作発行資金を得ることにしました。その時にしか生まれ出ことのない今こけしを!図譜に掲載した今こけしとの同一手のこけし群、「今晃こけし・坂入コレクション」の全てのこけしも出品していきますので、お気に入りの今こけしがありましたら、ぜひ、ご参加ください。
  当面の間、毎月第2、4日曜日が締切日になるように出品をします。みなさんに今こけしと触れ合っていただきたく、でき得る限り適宜な価格で頒布したく思っています。
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尚、来年(2016年)1月において、私が主催する今晃さんのこけし頒布会「木おぼこの会」の会員をこのHPから募りますので、ぜひ、ご参加ください。

[41]    「笹竹こけし」誕生、本人型こけしへの挑戦!!

 晃さんは、昭和58年5月31日、弘前市禰宜町から嶽温泉開拓農家集落に移住をされ、温泉土産こけしを意識されて、通称「笹竹こけし」を制作された。

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      58年7月        58年11月    22年4月    25年1月

 この「笹竹こけし」誕生秘話は、清俊夫さんの「今晃さんのこけし」(14)に以下のように書かれている。「このこけしは、金次郎型の顔に、地元の名物、地竹の子の笹の葉の胴模様を、笹竹の茎を意識した胴に配したものです。胴底には、『嶽今晃』、胴裏には『嶽温泉』の墨書があります。私には、津軽の風土にマッチした良いこけしに見えますが、観光客には殆ど売れなかったようです。
 今さんは、58年5月31日に弘前市禰宜町を離れ、嶽牧場と呼ばれている開拓農家集落に移り住みました。しかし、轆轤用の配電工事の遅れで、嶽でのこけしを製作し始めたのは、6月の末で、私が『嶽今晃』の署名の入ったこけしを入手したのは、6月27日でした。それからすぐに、本来の用途である温泉土産を意識して作られたこけしが、この笹竹こけしになります。、、、今さんのこけしは、あまりにも昔の津軽的なものであって、今の津軽の人々には違和感が強すぎるのかもしれません。、、、『あるべき津軽こけし、あったはずの津軽こけしを幻視して、それを次々に現実化して行った。』と私は考えています」
とあります。
 桑原金作さんは「今晃のこけし」の中で、「この笹竹こけしがなければ、『今晃こけしコレクションにはならない決定的に必要なこけし』という超貴重品の稀品である」「笹竹こけしは、嶽温泉おみやげこけしとして創意工夫して、竹の節を胴形に挽き上げた本人型こけしである」と述べられる。金次郎風の顔は優しく、別趣に表現されており、迫力があり、土の香りも強く、手絡描きが良く似合っている。眉太く、目は上瞼の描き方が素早く長い、眼点の打ち方が三本の横鬢と共に誠に美しい。鼻は猫鼻ですが、良く見ると独特な癖で描かれている。口は赤の二の点で表現されて非常に珍しく、今すぐ話をしたい様な口元で楽しく見える。非常に美しいフォルム、木地仕上がりになっており、特に竹節の表現は見事であり、ロクロ線赤と青で、黄胴の竹帯は青で描いている。下地の黄色に青の葉を描いたのが緑色で現れ、赤は赤でも白胴の赤より厚く見える。白胴は、赤は赤で、青は青とハッキリ分かる。今さんは面相筆を使用せず、普通筆で描くので、こけしの迫力や野性味、泥臭さの表現は、その他の工人に見られない独特の美しさがある。

20151127_6.jpg また、59年2月5日付け、東奥日報記事では、「岩木町の嶽高原、ここで、大鰐こけしの流れを汲みながら、全く新しい型のこけしが産声を上げて7ヵ月になる。名付けて岩木こけし。」とある。そして「、、、、伝統にとらわれず、独自の今さん流こけしの開発に打ち込んだ。『おみやげ的な要素がなければこけしではないと思います』というのが信条、この発想から、従来の形を度外視して、力を入
20151127_7.jpg20151127_8.jpg20151127_9.jpgれているのが表情豊かなこけしだ。笑ったり、怒ったり、泣いたり、『人間の喜怒哀楽の表情こそが人生である』とし、これら心の内面をこけしに盛り込むのが今さんの最終目標となった」と、その抱負を語っておられます。弘前市内に居住されていたときから、「津軽の本来あるべくこけしを求めて!」「津軽こけしが生み出されるべく彼の地を求めて!」と、本人型こけしへの希求、いろいろと模索や始造をされておられたようである。特に、20151127_12.jpg20151127_11.jpg20151127_10.jpg嶽温泉開拓地への移住は、「嶽温泉土産のこけし」製作へと進み、「笹竹こけし」を生み出されたようです。その思いは、留まることなく湧き溢れ、今晃の世界で昇華し、幾多の本人型こけしが現出していったようである。しかし、、、、、、、、、

[39]   「木おぼこ・今晃」―坂入ボックスー平成27年を掲載!!

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[39]   「木おぼこ・今晃」―坂入ボックスー平成27年を掲載!!
「木おぼこ・今晃」―今晃こけし図譜―には、昭和47年初作から平成25年12月製作までのこけしを掲載しました。それ以降、平成26年1月から製作されたこけしは、その全てのこけしを「坂入ボックス」として収蔵し、このHPにおいて公開しています。将来的には、「木おぼこ・今晃」Ⅱ―今晃こけし図譜・坂入ボックスーとして、「木おぼこ・今晃」―今晃こけし図譜―の続刊として、再編集して発行をします。
平成26年1月は、こけし機材を大館に搬出してしまった嶽において、二人挽きロクロを作られ、こけし製作を開始された。4月には「木おぼこ・今晃」-今晃こけし図譜―を発行し、その記念こけしを嶽での最後のこけしとして製作された。5月に、大館に転居されて、大館初作の二人挽きや機械ロクロでのこけし製作を開始されたのでした。
そして、平成27年4月に、沼田元気さんがこけし時代社から「KONNBOX」―今晃木形子特装本―を発行された。そこには、8寸こけしや二人挽き2,3寸こけし、板絵にエジコなどなど、各200本に及ぶ膨大な製作でもあった。平成25年の重篤状態から奇跡的回復、復帰されたとはいえ、1年以上もの製作期間をかけ、かなりの体力と気持ちの充実を要したようです。今回、それらのこけしを含めた平成27年の「坂入ボックス」を掲載しましたので、ご覧ください。
平成27年3月1日に、初孫が生まれ、今さんには、初孫誕生祝こけしや木地玩具を作っていただきました。初節句には、こいのぼりなども出してお祝いをしました。「これからも、木地玩具を!」とお願いしましたら、「構想や、こいのぼりなどのパーツの多い木地玩具は、大変なんだヨ~」との事でした。
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「40」  阿保金光さんがお亡くなりになりました。 

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「40」  阿保金光さんがお亡くなりになりました。  
10月26日、津軽こけし館のブログで、「皆様、とてもとても悲しいお知らせがあります。10月23日金曜日、津軽系 阿保金光工人がお亡くなりになりました。」との訃報がありました。翌日のブログには。津軽こけし館の山田さんが、「金ちゃん」と題し、「○×▲◆~!~%~!!!  ガハハっ!」何を言っているか良くわからない事が多かったけど、正直、金ちゃん語の解読に関してはかなり上級者だったと思う。その人柄を偲ばれておられます。
このHPに掲載してある「こけし蒐集・津軽の旅と似顔絵」 http://sanejiro.sakura.ne.jp/tsugaru.html に、2006年第19回こけし工人フェステバルに、似顔絵を描くために工人さんを訪ねました。「さあ~!こけしのふる里、温湯だ! 紅葉間近の森林帯を突っ切る。民家はみえないが立派な道路が続く。ダムやダム湖、観光用の幟や旗がひしめき、「さんままつり?」この山の中にサンマ?と思いながら走っていると、『温湯温泉街』という錆びた看板が目に入る。まず、津軽こけし館に伺う。実演工人阿保金光さんにお会いし、持参した似顔絵8枚を見せると『あら~、佳樹さんだ!』『そう、美津雄さんは、いつも肩に手を当て、このポーズよ』と話が進む。金光さんから『ダルマ模様のこけし』を差し出され、『オレにも描いてほしい!』と依頼される。なかなか、津軽人どうしの津軽弁は?でした。」とある。しかし、実際には、強面の金光さんの津軽弁がまったく、理解できずに、困っていたのでした。家にお邪魔をしたこともありました。
豪快な佐藤佳樹さんとは「俺は佳樹、お前も良喜か!」と、その数年後には、こけし手帖に「もう、届かないこけし!」との弔辞を書くことになった。そして、小島俊幸さんの急逝である。今度は、金光さん!!!   ご冥福をお祈りいたします。
今さんや美津雄さんは、体調が優れずと、、、 、しかし、正文君に優志君、鳴子で修行中の小島さんの娘さん、そして、もう一人の若者に!!