「18」 今こけし・エピソード1

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私は、今さんにこけしを注文するとき、特に、「何々を作ってください」ということはありません。退職記念や図譜出版記念、初孫誕生記念などは伝えますが、その内容については、今さんに「全て、お任せ」にしています。そして、普段、今さんが作られた全てのこけしを「坂入ボックス」にストックしていただき、入手しています。
左端の長谷川清一型こけしの原こけしは大湯温泉「花海館」にあります。今さんの初作こけし(昭和47年)です。4本は、平成26年11月作です。右から2本目は、木地に黒い染み、木肌に細い線が幾筋も現れたようです。一般的には、木地の傷物として敬遠されます。しかし、今さんは逆に、それを生かすように新たな模様を描いています。そして、右端は、その模様の発展といいますか、新たな今こけしを生み出されます。
2枚目の写真で、小寸の胴模様は描いたものではなく、偶然に生まれた木地の染みを生かしたもので、何の違和感もない、逆に、マッチした胴模様となっています。
3枚目の写真の盛秀型こけしは、注文があって作られたようで、平成7年9月9日作です。右の盛秀風こけしは、同じ日に作られたこけしです。「俺だったら、こういう風に作る!」と、このように生まれ出でたこけしは、別趣な楽しみですネ。
今さんは、ひとつのこけしを作られるとき、4枚目の写真のように常寸、小寸、えじこなどと、形態の違ったこけしを同時に作られるようです。それぞれの形態、胴模様に変化があります。また、胴模様に描かれる草花を、写真5のように左右対称に描かれたりします。清一型こけしのように楓を「下がり楓」「上り楓」というように、若干の描彩変化をされるところが、心憎いです。
今さんのこけしには、このような趣や変化があり、1本、1本のこけしの魅力とともに、1組の、1群のこけしとしても大いに楽しめます。
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