今晃さんのこけし署名は、各時代時代によって変遷をしています。その署名によって、どの時代作かよく分かります。今晃さんのこけし図譜「木おぼこ・今晃」の「こけし署名の変遷」には、その署名写真と時代区分を掲載しています。また、このHPのブログ「62・今晃こけしの署名の変遷」http://sanejiro.sakura.ne.jp/main/?p=594でも公開していますので、ご覧ください。
「今晃さんのこけし署名の変遷」
①署名「大湯温泉・長谷川清一型・今晃作」
大湯時代(47年4月~50年1月)
②署名「長谷川辰雄型・今晃」(楷書体)
辰雄弟子・大鰐時代(50年2月~51年3月)
③署名「今晃」(楷書体)
辰雄弟子・門外時代(51年4月~52年6月)
④署名「今晃」「弘前・今晃」(楷書体)
和徳時代(52年7月~53年3月)
⑤署名「今晃」(楷書体)
鳴子時代(56年8月30日、鳴子奉納こけし)
⑥署名「今晃」(楷書体的)
館時代(56年11月~57年8月)
⑦署名「今晃」(草書体)
禰宜町時代(57年11月~58年5月)
⑧署名「今晃」(草書体)
嶽極初期(58年6月末の「ドンコロ」のみ)
⑨署名「嶽温泉・今晃」(草書体)
嶽初期時代(58年7月10日)
⑩署名「岩木山・嶽・今晃」(草書体)
58年7月10日の極一部
⑪署名「嶽・今晃」(草書体)
嶽今晃時代(58年7月11日~62年5月)
⑫署名「晃」(草書体)
晃時代(62年5月~平成26年4月)
⑬署名「大舘・晃」(二人挽きロクロ作)
大舘時代(平成26年5月~平成30年3月)
⑭署名「晃」独特の書体(機械ロクロ作)
大舘時代(平成26年10月~現在まで)
今さんの署名文字は個性的です。大湯時代は自由に署名①されていたようですが、長谷川辰雄さんには「習字を習うように!」と言われ、かなり練習をされたようで、楷書体的な署名②③④です。和徳時代には、本田功さんに「ここは弘前なのだから、弘前と入れた方がイイ!」と、署名④に「弘前」が入っています。嶽移住の極初期署名⑧は、禰宜町時代と同じ書体です。嶽移住後の署名⑨⑩⑪は少し悩まれたようです。
二人挽きロクロ作は、大舘に移住する直前の平成26年1月が初作です。平成25年11月末に、大舘に移住する予定で、機械ロクロなどの機材を大舘に送ったのですが、移住は平成26年4月になった。嶽で、二人挽きロクロを自作され、奥さんの綱引きで、二人挽きロクロ初作された。その署名は「晃」です。その後は大舘で、奥さんの綱引き、弟子の石川美祈子さんの綱引きで制作をされていましたが、石川さんの弟子上がり(平成30年3月)」で、二人挽きロクロ作は終えられたようです。
大館移住後は、二人挽きロクロ作には「大舘・晃」と書かれ、機械ロクロ作は、嶽時代の「晃」とは違った独特な書体で区別されています。
それに伴い、今晃さんのこけし群の時代区別において、「〇〇年」とは、「47年から64年」までは「昭和〇〇年」という意味です。〇〇年の数字「1年から31年」は、「平成〇〇年」ということです。また、大舘移住後の署名⑬⑭に加え、〇年の数字「1年~」は、「令和〇年」という意味です。(署名⑫「晃」に、1年から31年は、平成〇〇年ということで区別をしています。)